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 発生生物学分野は、竹本龍也教授のもと、藤井節郎記念医科学センターにて2013年12月にスタートした研究室です。研究室では、胚発生過程においてどのようにして多様な体細胞系列(神経系や骨、筋肉の細胞など)が産みだされるのかを明らかにしようと研究を行っています。

当研究室では、共に研究を行ってくれる学生を募集しています。興味のある方は、竹本までお問い合わせください。また、研究室を見学されたい方も歓迎いたします。

News

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  • 2020年02月12日 Topics 第40回先端酵素学研究所セミナーのお知らせ

    2020年2月20日(木)第40回先端酵素学研究所セミナーにて、濱田 博司 先生(理化学研究所 生命機能科学研究センター)を招いて、演題「左右非対称性が生じる機構の多様性理」を行っていただきます。
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    Institute of Advanced Medical Science_seminar vol.40

  • 2020年02月06日 Highlight 第14回発生生物学セミナーが終了しました。

    2020年2月5日 第14回発生生物学セミナーにて、山本 卓 先生(広島大学大学院 統合生命科学研究科 理学・分子遺伝学(数理分子) 教授)をお招きし、「ゲノム編集研究の現状と様々な分野での可能性」の演題にて、ご講演いただきました。大変有意義なご講演を賜りましたこと、また多数のご来場を頂き、心より御礼申し上げます。
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  • 2020年01月28日 Topics 第14回発生生物学セミナーを行います。

    2020年2月5日(水)第14回発生生物学セミナーにて、山本 卓 先生(広島大学大学院 統合生命科学研究科 理学・分子遺伝学(数理分子) 教授)を招いて、演題「ゲノム編集研究の現状と様々な分野での可能性」を行っていただきます。
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    emb-seminar vol.14

  • 2020年01月28日 Highlight 第37回先端酵素学研究所セミナーが終了しました。

    2020年1月15日(水)第37回先端酵素学研究所セミナーにて、木戸屋 浩康  先生(大阪大学 微生物病研究所 情報伝達分野)をお招きし、「環境適応と心臓再生」の演題にて、ご講演いただきました。大変有意義なご講演を賜りましたこと、また多数のご来場を頂き、心より御礼申し上げます。

  • 2020年01月07日 Topics 第37回先端酵素学研究所セミナーのお知らせ

    2020年1月15日(水)第37回先端酵素学研究所セミナーにて、木戸屋 浩康  先生(大阪大学 微生物病研究所 情報伝達分野)を招いて、演題「組織微小環境が生みだす腫瘍血管形成のダイナミズム」を行っていただきます。
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    Institute of Advanced Medical Science_seminar vol.37

  • 2019年06月20日 Highlight 特別講義が終了しました。

    2019年6月19日(水)大学院医科学教育部「発生・分化・再生医学特論」特別講義にて、木村 航 博士(理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー)をお招きし、「環境適応と心臓再生」の演題にて、ご講演いただきました。大変有意義なご講演を賜りましたこと、また多数のご来場を頂き、心より御礼申し上げます。
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  • 2019年05月28日 Topics 特別講義のお知らせ

    2019年6月19日(水)大学院医科学教育部「発生・分化・再生医学特論」特別講義にて、木村 航 博士(理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー)を招いて、演題「環境適応と心臓再生」を行っていただきます。
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    graduate lecture

  • 2019年02月21日 Highlight 第13回発生生物学セミナーが終了しました。

    平成31年2月15日 第13回発生生物学セミナーにて、神山 淳 先生(慶應義塾大学医学部生理学教室 准教授)をお招きし、「クロマチンリモデリング因子によるヒト神経前駆細胞の運命決定機構の解析」の演題にて、ご講演いただきました。大変有意義なご講演を賜りましたこと、また多数のご来場を頂き、心より御礼申し上げます。
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  • 2019年01月24日 Topics 第13回発生生物学セミナーを行います。

    平成31年2月15日(金)第13回発生生物学セミナーにて、神山 淳 先生(慶應義塾大学医学部生理学教室 准教授)を招いて、演題「クロマチンリモデリング因子によるヒト神経前駆細胞の運命決定機構の解析」を行っていただきます。
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    emb-seminar vol.13

  • 2018年09月21日 Highlight 第12回発生生物セミナー終了しました。

    平成30年9月20日 第12回発生生物学セミナーにて、高岡 勝吉 博士(マックスプランク生物物理化学研究所)をお招きし、「マウス胚における前後軸の起源」の演題にて、ご講演いただきました。大変有意義なご講演を賜りましたこと、また多数のご来場を頂き、心より御礼申し上げます。
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  • 研究テーマ&内容

     胚発生過程を通じて、胚は細胞を増殖・再配置させるとともに、多様な細胞系列をつくり出します。その細胞再配置と多様な細胞の産出が関連しながら進行する最もダイナミックな過程が原腸陥入です。発生生物学分野では、原腸陥入期に産み出される多様な体細胞系列が、どういった仕組みで産み出されるかを研究しています。

    これまで神経板(中枢神経系の前駆体)が産み出される仕組みを具体例として、原腸陥入期にエピブラスト(胚盤葉上層=すべての体細胞の前駆体)から多様な体細胞系列が産み出される仕組みを研究してきました。これまで、転写因子SOX2が神経板の発生開始とともに発現することに注目して、その転写制御機構の研究を行い、次のことを示しました。 1. 胴部の神経板と中胚葉は、原腸陥入の場である原条の両側に分布する「体軸幹細胞」から産み出される。 2. 体軸幹細胞から、神経板と中胚葉のいずれが産み出されるかは、転写因子SOX2とTBX6の活性によって決定される。 この研究結果は、「胚はまず、三胚葉に分離され、それによって細胞の発生運命が狭められる」とされてきたこれまでの通説を覆したものでした。 現在、初期発生研究分野では、体軸幹細胞の維持と分化の制御の仕組みを明らかにするためマウス胚、ニワトリ胚、培養細胞を用いて研究を進めています。

    メンバー紹介 ※スパムメール対策の為、@マークを(@)とさせていただいております。

    教授(PI)
    竹本 龍也(たけもと たつや)
    TEL:088-634-6412
    Email:takemoto.tatsuya(@)tokushima-u.ac.jp
    大学では化学を専攻するも、生物に興味を持ち、博士後期課程から発生生物学の道へ。ニワトリ胚をもちいて研究を行っていたが、飽き足らずマウス胚にも手を出す。そうこうしている間に十数年経つが、胚への興味は変わらない。徳島に来てお魚がおいしいことに非常に満足している。

    略歴

    1999年3月 大阪大学理学部化学科 卒業
    2001年3月 大阪大学大学院理学研究科化学専攻 博士前期課程 修了
    2005年9月 大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻 博士後期課程 単位取得退学(同12月 大阪大学博士)
    2005年10月 大阪大学大学院生命機能研究科 形態形成研究室(近藤寿人教授)特任助手
    2007年11月 大阪大学大学院生命機能研究科 形態形成研究室(近藤寿人教授)特任助教
    2008年4月 大阪大学大学院生命機能研究科 形態形成研究室(近藤寿人教授)助教
    2013年12月 徳島大学藤井節郎記念医科学センター 初期発生研究分野 助教
    2017年4月 徳島大学先端酵素学研究所 発生生物学分野 教授
    現在に至る

    suzuki

    技術補佐員
    鈴木仁美
    (すずき ひとみ)
    TEL:088-634-6406
    Email:hsuzuki(@)tokushima-u.ac.jp

    saito

    技術補佐員
    齋藤 衣里佳
    (さいとう えりか)
    TEL:088-634-6406
    Email:saitou.erika(@)tokushima-u.ac.jp

    shimizu

    事務補佐員
    清水裕子
    (しみず ゆうこ)
    TEL:088-634-6407
    Email:shimizu.yuko(@)tokushima-u.ac.jp

    発表論文

    竹本龍也
    (2004年以降、* = corresponding author)
    Uddin MM, Ohigashi I, Motosugi R, Nakayama T, Sakata M, Hamazaki J, Nishito Y, Rode I, Tanaka K, Takemoto T, Murata S, Takahama Y. Foxn1-β5t transcriptional axis controls CD8+ T-cell production in the thymus. Nat Commun. 8:14419 (2017).
    Tanihara F, Takemoto T*, Kitagawa E, Rao S, Do L, Onishi A, Yamashita Y, Kosugi C, Suzuki H, Sembon S, Suzuki S, Nakai M, Hashimoto M, Yasue A, Matsuhisa M, Noji N, Fujimura T, Fuchimoto Di, Otoi T*. Somatic cell reprogramming-free generation of genetically modified pigs. Science Advances. 2 (9) e1600803 (2016).
    Do L, Wittayarat M, Terazono T, Sato Y, Taniguchi M, Tanihara F, Takemoto T, Kazuki Y, Kazuki K, Oshimura M, Otoi T*. Effects of duration of electric pulse on in vitro development of cloned cat embryos with human artificial chromosome vector. Reprod Domest Anim. (2016) In press.
    Hashimoto M, Yamashita Y, Takemoto T*.Electroporation of Cas9 protein/sgRNA into early pronuclear zygotes generates non-mosaic mutants in the mouse. Dev. Biol. 418: 1-9 (2016).
    Kondoh H*, Takada S, Takemoto T*. Axial level-dependent molecular and cellular mechanisms underlying the genesis of the embryonic neural plate. Dev Growth Differ.58(5): 427-436 (2016).
    Takemoto T*, Abe T, Kiyonari H, Nakao K, Furuta Y, Suzuki H, Takada S, Fujimori T, Kondoh H*. R26-WntVis reporter mice showing graded response to Wnt signal levels. Genes Cells. 21(6): 661-669 (2016).
    Morita Y, Taniguchi M, Tanihara F, Ito A, Namula Z, DO LT, Takagi M, Takemoto T, Otoi T*. The optimal period of Ca-EDTA treatment for parthenogenetic activation of porcine oocytes during maturation culture. J Vet Med Sci. (2016).
    Hashimoto, M. and Takemoto, T*. Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing. Sci. Rep. 5, 11315; doi: 10.1038/srep11315 (2015).
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    Yoshida M, Uchikawa M, Rizzoti K, Lovel-Badge R, Takemoto T,Kondoh H*. Regulation of mesodermal precursor production by low-level expression of B1 Sox genes in the caudal lateral epiblast. Mech Dev. 132: 59-68 (2014)
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    *竹本龍也, エレクトロポレーション法による簡便なゲノム編集マウス作製法 バイオサイエンスとインダストリー Vol. 74, No. 2: pp141-143 (2016)
    *竹本龍也, 神経管および体節中胚葉に分化する体軸幹細胞の制御, ライフサイエンス融合領域レビュー, 3, e007 (2014)
    *竹本龍也, 近藤寿人, 体軸幹細胞から神経系・中胚葉への分化とその制御, 実験医学増刊「再生医療を実現する幹細胞のメディカルサイエンス」, Vol. 30, No. 10: pp66-70 (2012)
    竹本龍也, *近藤寿人, 神経系と中胚葉は共通の前駆体である体軸幹細胞から発生し転写因子Sox2とTbx6がその発生運命を決める, ライフサイエンス新着論文レビュー, (2011)
    *竹本龍也, 近藤寿人, Tbx6に依存したSox2遺伝子の制御が体軸幹細胞の神経系と中胚葉への発生運命を決定する, 細胞工学, Vol. 30, No. 7: pp744-745 (2011)

    ムービー

    ニワトリ胚発生

    ニワトリ胚を卵から取り出して培養。動画は38?Cにて孵卵20時間?48時間を撮影したもの。画面の左上が頭側、右下が尾側。中央に見える線は、原腸陥入の場である原条。発生が進行すると、左上に頭部が形成される。原条は左下へと場所を変え、胴部が形成される。動画の最後で中央に見える線は、神経管(将来の脊髄)であり、その両脇に見える丸い構造物は体節と呼ばれ、将来の骨格筋や脊椎骨を産み出す。

    胴部形成と体軸幹細胞

    マウス胚8日胚のイメージ動画。胴部の神経管と体節とは原条両側に存在する体軸幹細胞から産み出される。胴部の形成は、頸部から尾部にむかって段階的に産み出されることから、体軸幹細胞の増殖を伴った維持と分化細胞を供給とのバランスが重要である。

    (動画はSho Ohta(Univ. of Utah)の厚意により作成)